「何故?」と聞きたいとき、英語では「Why」を使います。
それとは別に、「How come」を使うこともよくあります。
How come you broke up with Selena?
[どうしてセレーナと別れたの]
初めて「How come」という表現に出会ったとき、文法的な疑問を抱くのは避けて通れないでしょう。
実はこれ、「How come」のあとに続く文章は「that節」すなわち従属節なんです。
「come」には「来る」という意味の他に、とある状況や状態に「なる」という意味もあります。
My bow tie came undone.
[蝶ネクタイがほどけた]
これは「主語が○○な状態になる」という第二文型「SVC」の文章です。
「come」の後ろに副詞の「about」を付けることで、状態や状況そのものを主語にして、主語自体が発生するという意味の第一文型「SV」の文章を作ることができます。
This situation came about because of me.
[私が原因でこのような状況になりました]
この「S come about」(Sという状況が発生する)という意味の文章は、形式主語構文として表現されることがあります。
It came about that he broke up with Selena.
[彼がセレーナと別れるという状態が発生しました]
これを、どのようにしてそういった状況が発生したのかについて知りたい場合、「How」を使って尋ねます。
How did it come about that he broke up with Selena?
[どのようにして彼はセレーナと別れることになったのか]
この「How did it come about that ~?」(どのようにしてそうなったのか)が簡略化したのが「How come ~?」です。
How come he broke up with Selena?
[どうして彼はセレーナと別れたの?]
なので「How come」はその状況に至るまでの経緯についての問いかけと言えます。
場合によっては問いかけというよりも、その状況に対する驚きや不満といった感情を表す意味合いが強くなることもあります。
簡略化された表現だけに、くだけた言い回しなので、目上の人相手に使うのは少し失礼な感じもします。