引きこもり英語学習法

素人英語の学習ブログです。

meet with something

 

Daniel met Elena.
[ダニエルはエレナに出会った]

これはダニエルが一方的にエレナに出会った、という文章です。

エレナがダニエルに出会ったのかは定かではありません。

エレナの方はそうは認識していないかもしれません。

とにかくダニエル視点で一方的に表現した文章です。

 

これを一方的ではなく表現する方法として、両者を共に主語に置く、というのがあります。

Daniel and Elena met.
[ダニエルとエレナは出会った]

これで一方向性は消えました。

間違いなく両者が互いを「meet」の相手として認識しているはずです。

 

他にも前置詞「with」を使う方法もあります。

Daniel met with Elena.

これも一方向性が消えた表現です。

ダニエルの方からエレナに「meet」しているのと同時に、エレナの方からもダニエルに「meet」しているという双方向性が生まれます。

しかし、出会うという意味合いは弱まります。

 

「meet」は、最初の接触、事前に取り決めた上での接触、会話を伴う接触、という意味が優位的に働きます。

そして前置詞「with」の存在が、両者が同意の元で一緒になる、というニュアンスをもたらします。

なので「Daniel meet with Elena.」は、ダニエルとエレナが出会うというよりも、ダニエルとエレナが共に事前に取り決めた上で会って話をする、という意味合いが強い。

日本語でいうなら「ダニエルはエレナと面談しました」という感覚に近い。

 

しかし、それは対ヒトにおいてです。

人以外の抽象的なものを相手にした場合、そうはなりません。

Daniel met with an accident last year.
[ダニエルは昨年事故に遭った]

この場合、両者の同意の元ではなく、神様や運命といった上位の存在の元で一緒になる、というニュアンスが生まれます。

これは下位次元共同型の自動詞表現です。

どちらから「meet」しようとしたわけでもなく、上位の存在の影響によって僕らって「meet」したよね、っていう感じの共同性です。

なので、図らずも結果としてそうなる、って意味合いが出てきます。

 

ちなみに、事故に対しては「have」を使う方が一般的な気がします。

Daniel had an accident last year.

 

このように「meet with」は、人を相手にする「meet with someone」の場合は、面会や面談の意味合いが働きます。

一方で、抽象概念を相手にする「meet with something」においては、遭遇するという意味合いが働きます。

あうはあうでも「遭う」の方ですね。

「meet with something」についてもう少し例を見てみましょう。

 

His views have met with public opposition.
[彼の意見は世間の反対に遭いました]

抽象概念と抽象概念との接触です。

賛成や反対といった周囲の反応との接触に「meet with」が使われることがあります。

「opposition」というマイナスの反応があるんなら、当然逆のプラスの反応に遭うことだってあります。

Her ideas will meet with widespread support.
[彼女の発想は幅広い支持に遭うだろう]

「meet with」ではなく、直接「oppose」や「support」といった動詞を使って表現することもできます。

His views are opposed by the public.
[彼の意見は世間から反対されている]

Her ideas are widely supported.
[彼女の発想は広く支持されている]

 

賛成反対という反応との接触の他に、成功や失敗という結果との接触に「mee with」が使わることもあります。

Our attempts finally met with success.
[私たちの試みがついに成功した]

Your long-standing plan may meet with failure.
[あなたの長年の計画は失敗に終わるかもしれません]

この場合でもやはり、直接「succeed」や「fail」という動詞を使って表現することができます。

Our attempts finally succeeded.

Your long-standing plan may fail.

 

人と抽象概念との接触に話を戻しましょう。

先程の事故以外にも、人が抽象概念に接触することを「meet with」で表現することがあります。

Anyone who goes there can meet with kindness of people.
[そこに行けば誰でも人の優しさに触れることができる]

We met with many adventures on this trip.
[我々はこの旅で多くの冒険に触れた]

このように、人と抽象概念との接触に「meet with」を使うことで、経験や体験を表すことができます。

これらの文章は、「with」を付けずに「meet」だけで表現しても、さほど変じゃないでしょう。

しかし事故に対しては「meet」だけでなく「with」を付けるのが慣用的になっています。

 

人と抽象概念との接触に「meet」を使う場合、気を付けなければいけないことがあります。

それは、接触する相手が「到達すべきライン」を意味する言葉の場合です。

たとえば、目標や基準など。

そういった到達すべきラインを意味する言葉に「meet」を使うと、それはそのラインへの接触を意味して、「会う」ではなく「満たす」という意味になります。

He met the goal after many years of effort.

この文は普通、長年の努力のあとでその目標に出会った、という意味にはとりません。

長年の努力の末に、目標という目に見えないラインにやっとこさ接触した、という意味です。

目標達成を意味している文章です。

目に見えないラインと「meet」の関係については、詳しくは以下の記事をご参照に。

目に見えないラインとの接触 - 引きこもり英語学習法