移動という行為は、他者に作用せずに自分で自分を移動している状態に変えるという自動性の強い行為です。
なのに「leave」が他動詞なのは何故か。
それは「leave」という動詞が、その行為が行われた後の世界に重きを置いている動詞だからです。
行為の主体がその場から去った後のことまでをも意味に含んでいる、それが「leave」です。
つまり、ただの移動という域を超えた表現です。
leaveの本質は「対象をその場に置いて去る」です。
なので「leave」は他動詞。
「reach」が他動詞なのは何故か。
「reach」の本来の意味は、手を伸ばして触る。
つまり、到着した後にその場所に触るという、しっかりと対象に作用する行為なんです。
日本語でいうなら「reach」は、辿り着く。
辿り着くという言葉は場所に重きを置いている感じがします。
だから「reach」は他動詞。
一方で「arrive」は、日本語でいうなら移動を終える。
移動を終えるというのは、主体のことを言ってるだけで、場所に関してはどうでもいいって感じです。
純粋に主体の移動のことだけを言っている。
だから「arrive」は自動詞。
では「visit」はどうか。
「visit」の本来の意味は「見に行く」です。
つまりただの移動じゃないんです。
移動した後で、誰かに会ったり、何かを見たり、滞在したりと、そこで何かしらするわけです。
移動はただの前段でしかない。
そういった意味では、「visit」もただの移動系の動詞の域を超えているといえます。
移動した後のことまでもが意味に含まれている「visit」という行為は、移動した後で対象にしっかりと作用する行為、つまり他動詞ということです。
故に対象なしには「visit」という行為が成り立ちません。
I was pleased that you came to visit me.
[あなたが私を訪れてくれて嬉しかったです]
Have you ever visited Spain?
[スペインを一度でも訪れたことはありますか]