英語では、友人をパーティに誘ったときに、こんな言葉が返ってくることがあります。
I would just as soon stay at home as go to the party.
ここでの「would」は、直接的ではなく婉曲的に自分の意思を表現する助動詞です。
実際にするかどうかはさておき、もし許されるなら、もし構わないのなら、私にはこういったことをする意思があります、という遠慮気味な主張を表しています。
「just as soon」は、ちょうど同じくらい速やかに、という意味の副詞句で、動詞すなわち行為を修飾しています。
その修飾している動詞というのが「stay at home」、家にいるという行為です。
「I would just as soon stay at home」という文章は、私は家にいるという行為をちょうど同じくらい速やかにやってみせる意思があります、ってことを言ってるわけです。
何と同じくらい速やかにやってみせるのかということが、接続詞「as」(~と比べて)以下で示されています。
「as go to the party」なので、パーティーに行くのと比べて、それと同じくらい速やかに、家に滞在するという行為をやってみせる意思がある、ということです。
要は何が言いたいのかというと、「パーティーに行くのもいいけどさ、それと同じくらい家にいるって行為をやりたいんだよね」って主張しているわけです。
文章上ではあくまでも「as」(同じくらい)ってことになってますが、話者の本音としては、家にいたいってのが実際の気持ちです。
同じと言いながらも、やんわりとパーティーに行くのを断っている表現です。
もちろん、明確に家にいる方がいいと表現する場合もあります。
I would sooner stay at home than go to the party.
直訳すると、私はパーティーに行くよりも家にいるという行為の方をよりすぐにやってみせる意思がある、という意味です。
「速やかに行う、すぐさまに行う」という意味の副詞「soon」を指標にして、二つの行為を比較して、どちらをよりやりたいのかという話者の意思を表現しています。
比較の指標にしている基準が「soon」なので、厳密に言うと「先にやりたい」って意味になります。
パーティに行くという行為よりも、家にいるという行為の方を先にやりたい、ってことになります。
けしてパーティーに行くという行為自体を強く否定しているわけではないと言えます。
パーティーに行くという行為もいいけど、それよりかは家にいるという行為の方に気持ちが傾いている、ということを意味しています。
なので日本語としては、「~するよりはむしろ」とか、「~するくらいならまだ」みたいな感じで訳されることもあります。
「soon」を使って行為に対する気持ちの優劣の差を表現するのは、あくまでも慣用的な表現方法です。
二つのことを比較したときに、大きく違っているわけではないが、若干程度に一方の方が上回っている、というニュアンスを率直に表す副詞としては「rather」という単語があります。
どちらかに決めろというなら、強いて言うならこっち、みたいな感じで、日本語でいう「どちらかというと」とか、「むしろ」みたいなニュアンスを持つ言葉が「rather」という副詞です。
I would rather stay at home than go to the party.
[パーティに行くよりかは家に居る方がいい]
「would as soon do as」を使ってこんな文章を作ることもできます。
I would just as soon die as quit smoking.
直訳すると、タバコをやめるとの同じくらい速やかに死んでしまいたい、という意味です。
本当に死にたいって言ってるわけじゃなく、話者が言いたいのは、それくらいタバコをやめるのが嫌だってことです。
俺の中でタバコをやめるって行為は死ぬって行為に匹敵するぜってニュアンスですね。
タバコをやめるのと同時に死んでしまいたい、と言ってもいいでしょう。
もちろん「sooner」や「rather」で表現することもできます。
I would sooner die than quit smoking.
I would rather die than stop smoking.
どちらもともに「タバコをやめるくらいならまだ死んだほうがいい」という意味です。