引きこもり英語学習法

素人英語の学習ブログです。

「meet」と「touch」

 

「meet」はただ単に「出会う」という限定された意味だけを持つ言葉ではありません。

「meet」には「対象との距離が縮まって接触する」という幅広い意味があります。

そのため、「meet」はいろんな使われ方をします。

 

My hand met his under the table.

「meet」を日本語の出会うという意味だけだと思い込んでいる人は「私の手が机の下で彼の手に出会った」と訳してしまうかもしれません。

そんな言い方するかな、と日本人ならそう思うでしょう。

確かに日本語の出会うだと、普通そういう使い方はしません。

しかし英語の「meet」は日本語の出会うのような限定された意味ではなく「対象との距離が縮まって接触する」という幅広い意味を持っているので、こういう使われ方をしても別に変じゃないんです。

手と手が出会うなんてお洒落な言い方をするなぁなんて思う人がいるかもしれませんが、別にそういうわけじゃないんです。

お洒落な言い方とか気取った言い回しとか、そういうことではなく、「meet」自体にそういった接触の意味があるだけの話です。

もちろん「touch」という動詞を使ってもいいんですが、こういった場面で「meet」を使うことが別に日本語の「出会う」ほど変ではないんです。

 

「meet」に触れるという意味があるというんなら、じゃあ「touch」と「meet」の違いは何なんだってことになるので、簡単に説明しておきましょう。

まず「meet」の場合、人と人との接触は人間関係としての接触を意味するので、純粋に人が人に触れることを表現することはできません。

例えば、「ジョンがメアリーに触れる」という文に「meet」を使うと、「ジョンがメアリーに出会う」という意味になってしまいます。

なのでその場合は「touch」が使われます。

「私に触らないで」というときは「Don't meet me.」ではなく「Don't touch me」と言います。

「Don't meet me」だと、私に出会わないでという意味になってしまいます。

As soon as John met me, he touched me.
[ジョンは私に出会うなり、私のことを触りました]

 

人と人との文字通りの接触は「meet」ではなく「touch」で表現します。

人と人ではなく、主体性を持たない物体と物体との接触の場合に「meet」が「touch」のように使われることがあります。

My hand touched his under the table.

My hand met his under the table.

基本的にはもっぱら「touch」の方が使われます。

その方が普通だとは思いますが、ただ「meet」が使われることが、けしてそれほど変じゃないってのは知っておいた方がいいでしょう。

個人的には微妙なニュアンスの違いも感じます。

たとえば、「touch」が具体的で実質的な接触を意味しているのに対して、「meet」はちょっと間接的な言い回しに感じます。

「touch」がただ単に触れたという事実を客観的に言っているだけなのに対し、「meet」は手が合わさったみたいな、なんか別なニュアンスを感じるんですよね。

そういった「touch」と「meet」の微妙なニュアンスの違いに注目してみるのも面白いものです。

そのことを意識せずに、ただ単に「meet」を日本語でいう出会うという意味だと思っていると、気取った言い回しだななんて変な勘違いをしてしまうかもしれません。

そうならないためにも英単語一つ一つをしっかり考察して、日本語とは違ったその本質までをも理解していきたいところですね。