あやふやで不確かなものが、確かで揺るぎないものへと変化することを意味する動詞として「confirm」という動詞があります。
この動詞は、主語自らが確かで揺るぎない状態へと変化する、という意味ではありません。
そうではなく、主語があやふやで不確かな他者を揺るぎない確かなものへと変化させる、という意味です。
つまり自動詞ではなく他動詞です。
Your advice seems to have confirmed his resolution.
[あなたの助言は彼の決意を確かなものにしたようです]
この動詞は他動詞としてしての機能しかありません。
なので、下位存在である変化する側を主語にすることが出来ません。
その場合は受動態の形をとります。
His determination seems to have been confirmed by your advice.
[彼の決意はあなたの助言によって確かなものになったようだ]
That experiment confirmed Johnson's theory.
この文は、ジョンソンの理論があやふやな状態から確かな状態へと変化したことを意味しています。
彼の理論の何があやふやだったのか。
それは正しさという点においてです。
このように「confirm」は、正しさがあやふやなもののその正しさを確かなものにするという意味で、「立証する」と同じような使われ方もします。
英語には、立証するという意味で「substantiate」という動詞があります。
ただ堅い言葉なので日常会話で使われる印象はあまりないかもしれません。
That experiment substantiates his theory.
[その実験は彼の理論を立証しています]
この場合は、実験やら理論やらという堅い内容なので、「substantiate」という単語が馴染みますね。
理論なのどの小難しいことはさておき、例えば日常的な範疇の不確かなものでいうと、噂というものがあります。
噂も場合によってはその状態が変化します。
あやふやで不確かなものと思われていた噂が、なんだかんだで確固たるものへと変わることがあります。
Barbara confirmed the rumor.
これは、バーバラがあやふやだった思っていた噂を確かなものであると認識した、という意味です。
どうやって確かなものだと認識したのか。
噂の内容にもよるでしょうが、たとえば、その現場を目撃したのかもしれませんし、何かしらの物的証拠を手に入れたのかもしれませんし、本人から直接事実であることを聞いたのかもしれません。
とのかく、彼女はあやふやだった噂を自分の中で確かなものへと変えた。
それは、その噂の正しさを立証したという言い方もできますが、この場合は「正しいことであると確認した」という日本語の方がしっくりくるでしょう。
このように「confirm」は確認するという意味でも頻繁に使われます。
Barbabr must confirm whether it's ture or not.
[バーバラはそれが真実かどうか確認しなければならない]
確認するという英単語といえば「check」があります。
「check」は点検するという意味合いが強いですが、「confirm」は正しかどうかの確認という意味合いが強いです。
あくまでも、正しさという点に比重が置かれている感じです。
正しいかどうかの確認という意味では「verify」という動詞があります。
これは噂とかそういう個人的なことというよりは、もっと客観的なことに関して使われます。
私個人が思っている正しさと一致するか否かではなく、客観的な正しさと一致するか否かという意味合いが強い印象です。
そしてその正しさの確認のために、裏で実験や検証が行われている感じがします。
We should have verified the safety before.
[事前に安全性を確認するべきでした]
対象に作用することであやふやな状態から正確なものへと変える、あるいはあやふやだったものを自分の中で正確なものだと認識する、という意味の「confirm」。
もともとの語源は「確固たるものにする」でした。
そこから発展して「確認することで」という意味が付け加えられました。
では、次の文の場合はどうでしょう
I confirmed his resolve.
私は彼の決意を確固たるものにした、つまり彼に決意を固めさせた、という意味でしょうか。
普通決意っていうのは自分で固めるんであって、他人が固める物ではありません。
なのでやはりこの場合も、確認することで彼の決意が本物であることを認識したという意味になります。
自分自身のことを言っている場合はどうでしょうか
Has he confirmed his participation?
彼は彼の参加を確固たるものにしましたか。
文章としてはそうなんですが、やはりこれも固めるというよりかは、確かなものかどうかの確認という意味合いが強いです。
Is his participation confirmed?
[彼の参加は確かなものですか]
個人的は「confirm」のイメージとしては、固いかどうかわからなかったけど、実際に触ってみて「あっ固いや」って確定する感じです。
確固たるものにするという言葉の「confirm」も、このように今では確認の意味合いが色濃くなりました。
特に主語が人間の場合は専ら確認です。
ちなみに、他人に決意を固めさせるという場合はこんな言い方があります。
I made him make up his mind.
[私は彼に決意させました]
「make up one's mind」で決意を固めるという意味になり、さらには「make」は「させる」という使役の意味も持つので、こんな文章も作れるわけです。